(前回までのあらすじ)
新DISKを本体へ取付後、紆余曲折はあったものの全領域読み書きチェックを完了、問題なしとの結果に。今回は実際にデータを読み書きしてみてこのDISKの性質に迫ります。
前回の記事はこちらからどうぞ
Western Digital HDD 6TB WD Blue PC 3.5インチ 内蔵HDD WD60EZAZ-RT 【国内正規代理店品】
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- メディア: Personal Computers
※2020-07-04 注記
2TBの需要があるみたいなので、リンクを貼っておきます。
Western Digital HDD 2TB WD Blue PC 3.5インチ 内蔵HDD WD20EZAZ-RT 【国内正規代理店品】
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傾向と対策
ベンチマークを実施する前に、まずは今回増設したWD60EZAZの基本スペックについておさらいをしておきましょう。
WD60EZAZの基本スペック
製品仕様のページから一部抜粋してみます。
Western Digital WD BlueTM 3.5インチHDD http://products.wdc.com/library/SpecSheet/JPN/2579-810248.pdf
- バッファからホスト 6Gb/s
- ホストからドライブ/ドライブからホスト(サステインド*1)180 MB/s
- キャッシュ(MB) 256MB
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OSの書き込みキャッシュポリシー
特に問題が発生しなければ通常は「有効」にしたまま利用することになりますが、今回はDISKそのもののパフォーマンスを計測してみるということもあり、基本的に「無効」状態での計測結果を示しています。
パフォーマンス計測をしてみる
HD Tune
今回ベンチマークに利用したツールは、HD Tune Proです。
当初無料版のHD Tuneを利用していましたが6TBのDISKであるにもかかわらず、2TB分の認識しかしませんでした。本来HD Tune Proは有料ソフトですが、Free Trial期間が2週間程度ありますので、Free Trial版で今回のテストを実施します。
インストール
特筆すべきことはありません。ダウンロードして起動するとSetup Wizard画面になりますので、いつも通りインストールします。
性能テスト結果
DISK1台目、2台目に対して全く同じベンチマークテストを実施しましたが、ほぼ同等の性能を示しましたので、以降は主にDISK1台目の計測データを取り上げていくことにします。
シーケンシャル
Read性能
DISKの先頭領域と比較して後半領域の読み出しは、約半分程度まで性能が低下していることが読み取れます。
念のため、OS側のWrite Cache をONにした状態でも計測してみましたが、当然ながら影響を受けることなく同等のパフォーマンス結果となっています。
(※したがって、以降Readテスト計測についてはCache Offの結果のみを示します。)
Write性能
こちらは書き込みテストの結果です。全領域に渡りほぼ一定したパフォーマンスとなっていますが、平均書き込みレートは5.5MB/sと「Read時と比べ非常に低速」といってもよい結果となっています。
OSのWrite Cacheを有効化してみると、ほぼRead時と同等の傾向を示す結果となりました。こちらもDISK後半領域の書き込みレートは、先頭領域の約半分程度のパフォーマンスを示しています。
Random
Read
データサイズを変えた状態でRandom Readした場合の結果です。
先頭~2TBあたりまでの領域が若干良好であるといえますが、シーケンシャル読み込みの領域によるパフォーマンス差が、そのままランダムRead性能にも影響を及ぼしていると考えられます。
Write
Random Writeの結果です。
こちらは面白い結果となりました。Random Readの結果と比較して(グラフのスケールが違うので若干読み取りにくいのですが)、似たような結果となっています。
シーケンシャル書き込みの速度が非常に低速であったことを考えると、何らかのDISK側が持っているキャッシュ機構に対しての性能評価となっている可能性が高そうです。
OS側でWrite CacheをONにした場合の結果です。
キャッシュに書き込まれた時点で、DISKそのものへの書き込み完了を待たずにWrite処理が完了となりますので、当然ながら非常に高速な値を示しています。
その他テスト
HD Tuneには「Extra tests」という項目がありますので、それを実行してみました。
Read
簡単な結果を示すのみにとどめておきます。Sequential outer(外周部)/middle(中間部)/inner(内周部)項目では、今まで触れてきた内容とほぼ同等の結果を示しています。
Cache測定では、データサイズにかかわらず300~400MB/sの値を示しています。特にあるデータサイズ以上が低速になっている部分が見られないことから、0~64MB程度のデータサイズではDISK側のCache上にテストデータが全て乗ってしまっていることを示しています。スペック上は256MB搭載していますので当然の結果といえるでしょう。
全てのテストデータがキャッシュ上に乗っていると考えられることから、このグラフのデータは、(ドライブからデータを読み込まない場合における)DISK側のキャッシュからのデータ転送速度を表しているといえます。
Write系
Write時のCacheクラフ値は、ほぼ実アクセスのレートを示していますので、OS側のCacheが使われていないことが読み取れます。
OS側のWrite CacheをONにした場合です。
16~64MBでは一定して150~180MB/s近辺の値を示していますので、OSのWrite Cacheが非常に効いていることが読み取れます。
まとめ
今回はHD Tuneによるベンチマーク計測結果を中心に検証してきました。
Read性能と比較してWrite性能は非常に低速で、OSを始めとする様々なキャッシュその他の仕組みにより実用的な速度まで高速化されていることが分かりました。
特にランダム書き込みテストでは、HDD側のキャッシュ機構がかなり効いていると考えられ、今のところSMR方式に特有のパフォーマンス傾向は発見できていません。
次回も引き続きパフォーマンス測定をしていきます。
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*1:「サステインド」とは、連続したデータ転送を指します。(参考までに、瞬間的なデータ転送は「バースト転送」と言ったりします。)