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世の中は総裁選一色ですが、、、

菅総理お疲れさまでした。

メディア等では、総裁選の話題一色になっていますが、ふとしたことを疑問に感じましたので、少し考えてみることにします。

総裁選が話題に

メディア等では国中をひっくり返したような大騒ぎになっていますが、やっていることは「次の自民党総裁を誰にするか」ということが焦点です。これはあくまでも党の内部の話ですので、普段から政治に関わることがない自分も含めた一般人にしてみると、外から眺めることしかできないわけです。

それでもある程度興味を持たざるを得ないのは、基本的に今回の総裁選で選ばれた方が、次の『第100代内閣総理大臣』になることがほぼ確定するからです。

おさらいになりますが、内閣総理大臣とは行政権の属する内閣の首長で、いわゆる三権の長の一人です。ちなみに残りの長は、立法権の長である衆参両院議長と、司法権の長である最高裁判所長官、ということになります。

ja.wikipedia.org

内閣総理大臣の指名を受ける資格として、(1)日本の国会議員であること、と (2)文民であること、と規定されていますので、その条件に合った方の中から、首班指名選挙で選ばれます。

ja.wikipedia.org

小学校の社会科や中学校の公民の授業でなんとなく習った記憶があるかも?って方が大多数だろうと思います。このあたりの詳しい話は日本国憲法を参照していただくことにしましょう😃。

elaws.e-gov.go.jp

ここでおやっ?と気づかれた方はかなり鋭いと思います。

参議院議員首班指名ってできるの?」

つまり、

参議院議員内閣総理大臣になれないの?」

ということです。

この素朴な疑問を解決すべくインターネット上を検索しました。

すると、多くの説明が「指名される与党の党首が、通常、衆議院議員なので」的な説明で終わっているのが多数で、直接的な回答がなかなか見つかりません。

確かに日本国憲法での首相(今の菅総理を含めて)32人は全員衆議院議員です。

日本国憲法上の内閣総理大臣になる資格は先に述べたとおりですので、文字通り解釈すると、衆議院議員参議院議員の区別はありません。しかも衆参両院で指名される方が異なる場合まで規定されていますので、絶対に衆議院議員から選ばないといけない、とは言い切れないようです。

が、内閣不信任決議衆議院にしか認められていませんし、内閣総理大臣が解散できるのは衆議院だけですので、もし内閣総理大臣参議院議員であった場合、自らの国会議員の身分は保証されたまま、国民から選ばれた衆議院の解散ができてしまう、という解釈も可能です。他方、不信任決議に対しての解散であると解釈すると、それはそれで絶対あってはならないこと、とまでは言い切れない気もします。

これをどのように解釈すれば良いのか?

法律の専門家ではありませんので、これ以上の評価は控えます。ただ、これって単なるルールに過ぎないわけで、個人的にはどちらであっても全く構わないと思います。が、近い将来、解釈を確定する必要が生じるのであれば、誰かが決めないといけないでしょう。

歴史を振り返ると、現役貴族院議員から内閣総理大臣になられた方は有名な伊藤博文を始めとして何名かいらっしゃるようです。ただ厳密には当時の内閣総理大臣は国会議員である必要ですらありませんでしたので、状況が現在とは異なっているように思えます。

ちなみに、もう少し色々と調べてみると、首班指名選挙で参議院議員に票が投じられた例も存在するようです。近い例では、2020年9月、現在の菅義偉首相が誕生したときに、国民民主党の当選1回、伊藤孝恵参院議員に1票が投じられ話題になりました。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/202/202-0917-v001.pdf

総裁選に話を戻すと、参議院議員自民党総裁選に立候補した例もあります。2012年に林芳正参議院議員が1972年の推薦人制度導入後初の立候補となったようです。(このときは、総裁に選ばれませんでした。)

このように過去の例を見てみると、参議院議員内閣総理大臣候補となるには問題が無さそうに見えます。

参考までに、直接今回の回答となるものではありませんが、類題として、2013年の大学入試センター試験「政治経済」に、内閣総理大臣の指名についての問題が出題されています。

引用すると

問6. 下線部e(※筆者注:「国会」)についての記述として正しいものを、次の(1)~(4)のうちから1つ選べ

(1)(省略)

(略)

(4)憲法上「衆議院の優越」が認められているので、参議院には内閣総理大臣の指名権はない。

で、選択肢は「誤り」となっています。

まとめ

というわけで、「参議院議員内閣総理大臣になれないのか?」といったことについて考えてみました。

この記事をきっかけに、皆様が憲法や政治について考えてみるきっかけの一つにになれば幸いです。

参議院議員の方が総裁選に立候補すれば、また話題になりそうですね。

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