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iPad Air 2 Wifi+Cellular Softbank(キャリアモデル)のSIMを iPad mini5 Wifi+cellular(SIMフリーモデル)で使う

iPad Air 2 Wifi+Cellular Softbank(キャリアモデル)のSIMを iPad mini5 Wifi+cellular(SIMフリーモデル)で使う」のタイトル通りです。

今回は今まで使っていたiPad Air 2で使っていたSIMカードを、iPad mini5へ移設してみようと思います。

まずはおさらい

用語の整理のため、少しQ&A形式ですすめます。

「キャリアモデル」と「SIMフリーモデル」とは?

通信キャリアで契約した端末(いわゆる、iPadとかスマホとか)を「キャリアモデル」と呼び、一般的に、そのキャリアでのみ利用できるようにSIM交換に対してロックがかけられています。これを「SIMロック」といいます。

他方、通信キャリア以外で販売している端末を「SIMフリーモデル」と呼び、基本的にどの通信キャリアのSIMでも使えるようになっています。これを「SIMフリー」「SIMロックフリー」といいます。

それなら「SIMフリーモデル」でいいのでは?

そんなに簡単ではありません。「キャリアモデル」は自社の回線を契約してもらえる前提で、端末料金を値引きしている場合が多いので、そもそも大手キャリア回線を使うのが前提ならキャリアモデルを選ぶとお得なケースが多いです。

お得なら「キャリアモデル」だけでいいのでは?

こちらもそんなに簡単ではありません。日本のキャリアモデルをそのまま海外に持ち出して使う際、ローミング*1 で使わざるを得ず、短期間ならともかく中~長期利用だとサービス利用料が多額になってしまいます。とはいえ、渡航先の通信事情に応じて同じモデルの端末をそれぞれ使い分けるのも非現実的なので、「SIM交換」できるようにしておきたいです。

この例は一例ですが、他にも様々な理由により、「キャリアモデル」で「SIMロック」を解除する、「SIMロック解除」が徐々に認められるようになってきました。

こういった歴史的経緯がありますので、古い機種のキャリアモデルはSIMロック解除ができず、比較的新しい世代、例えばiPhoneならiPhone6sあたりの世代の機種からできるようになっています。

「キャリアモデル」を買ってすぐに「SIMロック解除」してMVNOあたりの回線を使えばお得じゃ?

皆さん考えられることは同じですね。残念ながら「SIMロック解除」には様々な条件があります。

各キャリアも商売ですので、とくに債権回収についてはきちんと考えています。例えば、「新製品端末」を「分割払い」で「割安でキャリアモデルを契約」して、すぐに「SIMロック解除」し、プレミア価格で転売、しかも「分割払いを最後まで払わずにトンズラ」みたいな不届き者が得をしないように努力されているようです。

(参考)「SIMロック解除の義務化」関連

当blogでは珍しい、他サイトへのリンクを張っておきます。インターネット上では様々な解説記事が書かれていますが、こういった内容はやはり原典にあたるのが最も正確です。

移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン - 総務省

ガイドライン(SIMロック解除関係) - 総務省

SIMフリーモデル」を物価の安い国から買って、日本で使うのは?

海外では一般的に行われているようですが、日本では「技適マーク*2」という壁が立ちはだかっています。

海外で発売されている端末は一般的に技適マークは付いていません。(技適マークを申請するのにも当然費用がかかります。)が、一部iPhoneのモデル等は海外製品でも技適マークを取得しているモデルも存在するようです。

また、SIMフリー端末モデルであっても、販売している国によって通信方式が違ったり、対応している周波数帯が違ったりするケースもあるようです。この場合はそもそも通信自体ができませんので、日本国内では全く使えない、ということになります。

と、一応建前上はこのようになっていますが、厳密に技適マークを運用しようとすると色々と問題が出てくるようです。(例えば、海外から来日している旅行者が使っているスマホは、全員「技適マークが付いているSIMフリーモデル」なのか?等々の諸問題。)

というわけで、さすがに総務省もこういった問題点を把握しているようで、海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用 といった法整備等が行われているようです。

さすがにツッコミどころ満載な気はしますが、、このblogの趣旨ではありませんので、法律の技術的なお話は専門家にお任せします。

そもそも電波法は、不法無線局を取り締まるのが主な役割の一つですよね。無線機を改造して許可なく1KWもの出力を出したりすりゃそりゃ電波障害も起きますし、周りは大迷惑で、こんな輩を取り締まるのは良いと思うのです。が、日本以外のほぼすべての国で、全く問題なく使えているものをシールなりマーク一つ付いていないからと言って「絶対ダメ」って趣旨でもないですよね。空中線電力が妥当な範囲であれば、正直それほど問題も起きないでしょうし、総務省令もある程度他国(米国や欧州の基準)や国際基準を横目に見ながら策定されてますよね。

無線LANの現状 - 総務省

というわけで、技適マークとその運用について触れてみました。違法に出力アップ等の改造でもしない限り、普通の人が普通に買って普通に使う分には、まぁ問題なかろう、という見解です。(売る立場の人はきちんと各種法令を遵守してくださいね。)

iPad miniはお勧め

以前の記事では、iPad mini5のご紹介をしました。

tsh.hatenablog.jp

発表されてから1年以上経ちますが、今から買ってもまだまだ全然大丈夫、今までのiPadが少しでも大きい/重いと思われた全ての方にお勧めできるモデルです。

やはり持ち出して使うには軽いに越したことがないですよね。

持ち運んで使うため、歴代保有していたiPadWifi + Celluarモデルを選択しています。テザリングという手法もありますが、iPhoneのバッテリー消費を考えると微妙な感じがします。バッテリー消費を考えると、iPhoneではなくて、iPadテザリングした方が実用的でしょうね。ただやはり微妙な機能なので、仕事用として考えると、使いたい時にネットワーク接続できないと、機会の損失となってしまいます。

というわけで、今回新たにiPad miniを入手しましたので、まずはSIMを入れ替えして持ち運び対応機としてみます。

SIM入れ替え

手元のiPad Air 2には、ソフトバンクのSIMが入っています。これを新しいiPad mini 5(Wi-Fi + Celluarモデル)に移設してみます。

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付属しているSIMピンを使います。

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iPad側面の小さい穴にSIMピンを差し込み押し込みます

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SIMピンを押し込むと、SIMトレイが取り外せるようになります

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SIMトレイを取り外して並べた所。左:iPad Air 2用 右:ipad mini

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SIMをつけた状態で押し込みます

これで、iPad miniを再起動すれば、一丁上がり!

のはずが、、、。

あれれ?3Gは掴むもののインターネットに接続できません。

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3Gを掴むがインターネットに接続できない

APN設定

こういった場合、大抵APN*3の設定が必要になるようです。

「設定」>「モバイルデータ通信」>「APN設定」を確認してみましょう。

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3Gを掴むがインターネットに接続できない

公式サイトを見ても中々たどり着きませんでした。が、色々検索しているとSIMフリー機でソフトバンクのSIMを使う場合は、以下のように設定を変更しないといけないようです。

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APNを書き換え後rebootします

APNの項目を「sb4gdual」→「sbm4glte」に変更し、再起動してみます。

再起動後、数分間放置するとようやく4G接続になり、インターネットに接続できるようになりました。

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右上の赤丸で囲んだ部分が「4G」になりインターネットに接続できるようになった

まとめ

SIM交換するだけでしたが、意外とインターネット上でも「APNの設定はこうして下さい」といったズバリの情報が出てこないので、記事にしてみました。 (本家キャリアのサイトを見てもよく分かりませんでした。。。)

SIMフリーにまつわる一連の議論は、まさに政治の世界そのもののお話でした。

そもそも日本では旧電電公社がほぼ独占して通信事業を行っていた経緯もあり、中曽根政権の三公社民営化で現在の形になりました。それまでの「赤字垂れ流し無責任経営」からようやく抜け出したものの、時代が経つにつれ新たな寡占業界を生み出すことになりました。 寡占業界にも関わらず各企業が利益を追求し始め、新たな問題が色々と発生しているようです。 現在話題になっている料金プランの問題、以前問題になった「1円ケータイ」等々。経済活動なので当然なのですが、なるべく見かけを安くして消費者のがま口を開かせたい、契約したらきっちり利益を出したい、と言った方向を追求し始めるようになって久しいです。

本来であれば、こういった企業の利潤の一部は「GAFAに対抗するような新サービスへの投資」を行うなり何なりしないといけないと思うのですが、各キャリアは全くそういったことには興味が無いように見えます。

ただ、フォローしておくと一概にキャリアだけが悪いのではなく、お役所、今回の担当分野では総務省もお互い様、と言わざるを得ない部分もあります。具体的には今回触れた「技適マーク」問題をとってみてもそうで、あらゆるものに規制をかけようとする日本のお役所体質が、そもそも問題の根本にあるのも間違いありません。

Winny事件もそうでしたが「画期的な新しいことを始めようとすると官民ともども足を引っ張る」ところが日本の致命的なところでしょう。(念のため少しだけ触れると、Winnyの基本的な考え方は現在のブロックチェーン技術に脈々と引き継がれています。)

八木アンテナもそうですね。当時、戦況を左右しかねないような画期的な発明が国内であったにもかかわらず、海軍の担当者が嫌がらせをして、国益を損ねてしまう。

現代の社会全体を覆っている閉塞感の原因は、実は、このあたりも一つの要因ではないか?と考えています。

なぜ「日本の情報通信分野が全てと言っていいくらい海外勢にやられているのか?」をきちんと検証して、合理的な対策を立てなくてはいけないでしょう。精神論をいくら展開しても次の勝利にはつながらないですね。

社会全体がもっと国益を考えるようになって欲しい、と希望を述べて、この記事の締めくくりとしておきます。

ABOUT -この記事を書いた人-

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tsh(id:t_sh)

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*1:通信事業者間の提携により、利用者が契約しているサービス事業者のエリア外であっても、提携先事業者のサービスを利用すること。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0

*2:電波法第38条の2の2にある小規模な無線局に使用するための無線設備である特定無線設備に関し、電波法令の技術基準に適合することを認証すること及びこれを行う機関について規定する総務省特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則

*3:Access Point Name の頭文字からとっているようです。